副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

副検事試験に「採点実感」がないワケ【訂正記事有り】

(この記事は、筆者の誤った認識をもとに記載してしまったものです。訂正記事が別にあります。)

 

1 法律家の試験というと、「司法試験(予備試験含む)」「副検事試験」「特任検事試験」が頭に浮かびます。分類の仕方によっては、「司法書士試験」「行政書士試験」とかも入るかもしれません。

  ここでは、最初の方について話したいと思います。

2 司法試験は、弁護士になるためにはほぼ必須の試験です。なので、みんなロースクールに通ったり、予備試験を受けたりして、合格を目指します。人数も多いです。

  そして、最近では驚くことに、司法試験や予備試験の論文試験について、「出題趣旨」とか発表するんですね。さらに、司法試験については「採点実感」という講評めいたものまで発表されていました。

  昔は、そんなものはなかったですね、、、。時代は変わりました。

  おそらく、これらを発表するようにしたのは、受験生に「自分で」頑張ってもらうためなのだろうな、と思います。もともと、司法制度改革とかロースクール導入とかは、司法試験予備校の力を削ごうという思惑があったように感じています。猫も杓子も予備校に通い、みんな論文試験で金太郎飴みたいな論述を重ねる事態を憂慮したのではないかと。

  ほかでも話しましたが、予備校的勉強だけを続けていると、問題点抽出能力が鍛えられません。結果、目に見える論点だけに飛びつき、知っている論述を並べて答案が終わってしまいがちです。こういう状況を打破するために、色々いじってみた結果のロースクールだったと思われます。

  それならば、本来はロースクールは、高度な教育能力を備えた数校に絞られるべきでした。実際、当初は合格率80%とか言ってましたし。しかし、詳しいことは割愛しますが、諸般の事情により、ロースクールは数十校が乱立し、合格率も想定からかけ離れた低数値となり。しかししかし、競争原理による淘汰が進み。少しずつ当初に想定した姿に近づきつつあるようです。

  話がそれましたが、予備校に頼らなくても、学生が自力で対策を考えられるように、「出題趣旨」「採点実感」等が公表されてるのだろうな、と思っています。

3 そう思うのは。副検事試験で「出題趣旨」「採点実感」が公表されてないからですね。そもそも、副検事試験向けの予備校はないし、良い意味で、「みんな自分の頭で勝負している」からではないでしょうか。

  他省庁から受験されている方は、もしかしたら、「検察庁の職員は、きっとさぞかし充実した受験向けの講座とかプログラムがあるんだろうな」などと思われるかもしれません。そんなことは、全くないと思います。受験する方も、普段の業務で忙しいですし、何か指導しようと思っても、まとまった時間を捻り出すのはほぼ無理でしょう。

  そういう意味でも、副検事試験は、「誰も教えてくれない」「予備校も『採点実感』もない」という形で平等な試験なのかな、とも思います。もちろん、刑事事件に馴染みがあり、日々刑事事件を目の当たりにしている、という点で、検察事務官に一定の有利はありますが。

4 余談ですが、山陰のある地検のある支部(今は職員が常駐しなくなったようです。)は、昔は、副検事志望者にとって、ある意味すごい勤務地でした。とにかく人が少なく事件も少ない検察庁で、刑事裁判が月に1日とかで回っているところでした。やることがないので、勉強しまくれるワケです。一方、副検事を目指していない人は大変です。一面海と空ばかりの2年間を過ごすことになります。ある人が、帰ってくるなり「気が狂うかと思いました。」と言ってました。何かの漫画に「精神と時の部屋」という、修行に打ち込める部屋がありましたが、あんな感じです。

  東京地検とかでも、三宅島の勤務とかあったはずです。他省庁の方も、思い切ってそんなところに行ってみるのも手かもしれません。ただ、責任持ちませんよ。