副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

検察官の任地

1 検察官は、全国異動です。副検事も同じです。

  副検事の場合は、任官してすぐは、それなりに遠方の検察庁に配属され、運が良ければ、あとは地元やその近くの検察庁に配属されます。ただ、何年かすると、また遠くの検察庁に行く必要が出てきたりします。

  異動は、2年おきが多いのですが、3年ということもあります。4月異動が多いのですが、1月半ばに「意向打診」というのがあります。一応「ここでいい?」と聞いてくれるのですが、断るケースは珍しいですね。そして、異動を期待して待ってるのに全然呼び出されずにスルーされ、3年目突入、ということもあります。

2 地元に長くいられるかは、地元の検察庁副検事の定員数と、地元出身の副検事の数にもよります。地方によっては、地元出身の副検事が少なく、他庁から副検事に単身赴任等で来てもらうところもあります。こういう所だと、地元出身の副検事は長くいられますね。

  一方、地元出身の副検事が定員より多いと、その分、他の検察庁に行かなければならない人が出てきます。それが隣の県くらいで住めば、運が良い方なのですが。

  かなり昔ですが、地元出身の副検事が定員より明らかに多い地検がありました。そこのベテラン副検事は、他庁に出ている若手の地元出身副検事に対して、「お前の帰ってくる席はねえ!」と言っていたそうです。本人が言っていましたから間違いありません。今ならパワハラ間違いなしですね。

3 中には、執務環境が厳しい場所もあります。かつては、大阪地検支部が有名でした。公判担当の若手検事が午前3時くらいまでは仕事をしていたとか。さすがにまずいと思ったのでしょう。今では、堺支部は、忙しくはありますが、若手副検事の間で「希望調査に書いてはいけない3か所」からは外れたようです。

  最近では、この「書いてはいけない」は、中部の某支部、関西の某支部、九州の某支部だそうです。まあ、「書いてはいけない」は半分冗談ですが。これら支部は、確かに繁忙庁ですが、その分事件に鍛えてもらい、腕を上げる良い機会だとも言えます。なお、九州の某支部には、昔「ラオウ」と呼ばれた支部長がいたそうです。体と心を痛めない程度の厳しさが丁度良いのですが。

4 一方、あまりに事件数が少ない検察庁だと、そもそも経験を積むために必要なだけの事件の数を配点してもらえない恐れがあります。全国的に平穏なので有名な検察庁は、中国や北海道にありますね。ある検察庁では、一瞬ですが、身柄事件の数がゼロになったことがあったそうです。そこまで事件が少ないと、さすがに何か物足りなさを感じますね。