副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

副検事試験受験資格としての司法試験

1 コメントでいただいた質問に、お答えします。なお、コメントからタイムラグがあるかも知れませんが、そこはよろしくお願いします。

  今回は、「司法試験合格者として副検事試験を受けている者はいるか」というご質問です。ちょっと説明がいりますよね。

  他官庁の方なのですが、副検事試験受験について、勤務先の理解が得づらいそうです。強度の高い勉強としてにとどまらず、実際に司法試験の予備試験、本試験に合格してから副検事試験を受けられたら良いな、とお考えなのだそうです。

2 私の経験の中だけですが、副検事試験を受験する手段として司法試験合格を目指した、というケースは知りません。やはり、司法試験に合格したなら、普通は司法修習を経て、裁判官、検事、弁護士のいずれかになるものでしょう。というのは、司法試験合格に必要な法律的能力を身につけるための時間は、どうしても副検事試験よりもかなり長くなります。副検事になる手段としては、司法試験合格はオーバースペックです。それよりも、早く副検事試験を受験して合格し、早く副検事に任官した方が、きっと自分として充実した時間を送れると思います。

  なお、これとはちょっと違い、他官庁勤務中に、司法修習に入るために司法試験の勉強をしていたものの、途中で方針を変えて副検事試験を受験することにした、というケースは聞いたことがあります。

3 以上が、質問に対する正面からの回答です。そして感想ですが、「やはり他官庁勤務の中で、副検事試験を受験することについては、勤務先からの理解が得づらいのだなあ。」ということです。

  以前も触れたことがありますが、他官庁出身の副検事の方から、こんな話を聞いたことがあります。

副検事試験を受けると知られたら、『なんだ、お前はあっち側(検察官)に行くのか。』と白い目で見られる。なので、受験ギリギリまで内緒にしておいて、一発で合格しないといけない。そうでないと、針のムシロに座ることになる。」

  まあ、これを聞いたのは10年以上前ですから、今も同じかどうかは確認してませんよ。それに、他官庁出身の副検事の中には、「数年間は受験したい」と副検事試験受験の意思を勤務先に明らかにしていた方もおられるようです。今の時代に、副検事試験受験というキャリアアップを図ろうとした点について、周囲が何かおかしなことをすれば、普通は何かのハラスメントに当たりますよね。受験意思を公にして開き直れれば良いのですが。ただ、理屈だけでは解決しない事情もあるのだろうと思います。役には立ちませんが、応援していますので頑張ってください。

 

追伸

 コメントでご指摘いただいたので言及しますが、実は司法試験合格者の副検事任官については、実例があります。ただ、プライバシーその他、色んな事情から、このブログでは詳細は差し控えたいと思います。どうか、勘弁してください。