副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

司法試験論文のタイピング化

1 答案構成の連投が続き、疲れたので、今週はお休みです。

  久しぶりに雑談を。

  2026年から、司法試験の論文がパソコン使用になると報道されています。司法試験で導入されるなら、副検事試験でも導入されるかも、ということで、取り上げてみましょう。手書きの論文と比較すると分かりやすいですかね。

2 論文試験の手書き、結構大変ですよね。私が受験生時代に気を付けていたのは、「いかに手首を痛めないか」でした。変なペンを使うと、必死に書いているうちに力が入り過ぎてしまい、手首がすごく痛くなるんです。手首を痛めてしまったら勉強どころではなくなってしまいます。結局落ち着いたのが、「極細サインペン」でした。これなら、力を入れなくても紙に触れるだけで字が書けます。そして、「なるべく手首を動かさず、肘と肩の関節を使って字を書く」ことも意識していました。小さな筋肉と小さな関節を使うから痛くなるんですね。大きな筋肉と大きな関節を使えば、パワーも出るし疲れも溜まりづらいです。スポーツやったことがある方なら分かると思います。そして、読みやすいように、かつ書きやすいように、普段よりも少し横広の字を書いていました。

  これがタイピングになると、かなり楽になりそうですね。なお、私は、タイピングが得意な方なので、このように言えます。タイピングが苦手な方だと、かえって大変なのでしょうか。しかし、今の時代、何年か実務で仕事をしていれば、タイピングを使いますからね。タイピングが苦手な副検事受験者、というのはイメージが湧きません。一方、若手だと、最近の学生はパソコンではなくスマホでレポートを書いたり、卒論まで書いてしまうそうで、公務員になったけどタイピングができない、みたいな新規採用者は結構いるみたいです。就職して仕事する気ならタイピングくらい覚えてこんかい!と思ってしまうのが、すでに時代遅れなのかもしれません。

3 タイピングの時間によって、答案構成にかけられる時間が変わってきそうですね。

  今の副検事試験の論文は、司法試験と同じ答案用紙を使っていると聞きました。予備試験だとA4で22行のものが4枚、本試験だとA4で23行のものが8枚配られるということのようです。予備試験が1科目1題70分平均(2、3科目まとめて実施するようです)、本試験が1題120分だそうで、多分副検事試験では、1題60分ですから、時間が近い予備試験の答案用紙を使っているのではないかと勝手に想像しました。(その後、受験者の方から、予備試験の答案用紙【22行2in1表裏1枚】とコメントで教えていただきました。サイズもどうやらA3のようです。ちなみに六法は司法試験用ではなく六法全書で、憲法や刑訴法の条文見出しがついたものだったとのことです。)

 ちなみに供述調書は1ページ23行(28字位)です。そして、供述調書作成の際に、口授(検察官が口に出して喋った内容を、立会事務官がパソコンに入力していくやり方)すると、大体30分で5ページくらいのイメージだそうです。もっと早い人だと、30分で6ページ以上、というレベルの人もいたり、逆に30分で4ページだと「もうちょっとタイピング練習してほしいなあ」と思ってしまうとか。

  ここで、副検事試験の論文の分量が、2ページ半から3ページくらいとすると、入力に20分かからないことになりそうです。手書きだと、この分量を書くのに、おそらく37、8〜45分かかると思われますし、そうするとかなりの時間短縮になります。

4 ここまで時間短縮ができてしまうと、答案構成にかけられる時間がものすごく増えますね。元々、1時間1問という時間的制約は、結構厳しいものがありました。その制約が緩和されると、より深く勉強した人ほど、答案構成に時間をかけ、より多くのことを答案に盛り込むことができるようになりそうです。

  ただ、ここまで書いてきて、副検事試験にタイピングを導入すると、試験時間がものすごく余りそうな気がしてきました。司法試験の本試験は論文が3日間で合計17時間に対して、副検事試験は1日5時間です。パソコンでなくても、手書きで何とかなる範囲とも言えます。そこを考えると、「副検事試験にはタイピングは導入されないんじゃないか?」という意見にも一理あるようにも思います。

  どちらになるか分からないものですから、答案練習をする際には、「パソコンで入力するのをベースにし(楽だから)つつ、たまに手書きの練習もする。」とかが良いのでしょうか。くれぐれも、まだ何も決まっていないことですから、むやみに不安に思う必要はありません。ただ、「可能性があることを一応考えておく」のは良いことかな、と思います。