副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

副検事の退官後

0 試験の結果が出た後、一つ大事なことがあります。「自分がどのレベルだったか」を見極めることです。中には、本当にギリギリで残念だった方もおられます。こういう方は、ぜひもう一年頑張るべきです。まだまだ合格には遠い方もおられます。そういう方は、あとどれだけ勉強したら合格しそうか、を考え、それをやるかどうかを考えるべきです。成績って公開してくれないんでしょうかね。結構大事な情報だと思うのですが。

1 国家公務員の定年延長が法律で定められました。

  一般の国家公務員は60歳が定年だったものが、段階的に65歳まで定年が引き上げられることになります。令和13年度に引き上げが完了するようです。

  ただ、副検事を含む検察官は、元々定年が63歳と高かったんですよね。なので、定年引き上げも令和7年度に65歳に引き上げられて完成するようです。

  一定の年齢になると給料が7割になるようですが、検察官の場合、63歳までは 元々フルに俸給がもらえていた訳ですから、7割になるのは64歳からの2年間でいいんですよね、多分。ちなみに、退職金は確か、7割に下がる前の俸給額で算定してもらえるはずです。

  最後の2年間、7割の俸給でそれまでと同じ仕事をするのは、モチベーション維持が大変そうですよね。できるのかな、そんなの。

2 副検事の方が退官した後、再就職先として多いのが、「被害者支援委員」です。これは、検察庁から委託を受ける形で、被害者などからの相談に電話で対応する業務です。

  法務省のホームページに「犯罪被害者等の方々へ」というサイトがあります。同じ内容が、冊子になって各検察庁にも置いてあります。犯罪被害者等の方々が利用できる各種制度をわかりやすく説明するためのものです。ここに「被害者ホットライン」として、各地検の連絡先が掲載されています。この電話に最初に対応するのが被害者支援委員です。被害者等の対応ですから、やはり副検事のように、その種の経験豊富な方の需要が大きい訳です。ただ、この業務は、結構人気があります。なので、場所によっては、勤務が週1日(決まった曜日)みたいなこともあります。なので、もしフルタイムで働きたいなら、俸給が7割になったとしても、65歳まで副検事として働いた方がいいかも知れません。

3 また、以前他の記事で話したことがありましたが、副検事として偉くなり、◯◯区検察庁◯◯部長、とかの決裁官まで務めると、公証人のポストに就くチャンスもあります。ただ、これは、かなりチャンスが少ない上、縁もゆかりもない地方の公証人ポストしかないこともあります。ただ、そこを割り切れれば、フルタイムで働けるので、収入はそんなに悪くないと思います。具体的にいくらなのかまでは知らないのですが。

4 その他、副検事の間に簡易裁判所裁判官の試験を受験する、という荒技もあります。簡裁判事の定年は、何と70歳です。地裁、高裁裁判官の定年が65歳なのですが、裁判をするのが好きな裁判官は、その後簡裁判事に転身したりする人もいます。ただ、簡裁判事試験は、民事訴訟法も科目に含まれます。裁判所書記官出身の方は、仕事で民事も扱うので、やはり強いようです。裁判所書記官から副検事に任官し、さらに試験を受けて簡裁判事になられるパターンもあるようです。いろんな道があるものです。