副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

偉い副検事

1 副検事の方は、年次を重ね経験を積むと、どんな感じに偉くなっていくのか、というお話です。

2 まずは収入面です。

  検察官の収入は「検察官の俸給に関する法律」に定められています。

  副検事任官時の給料は、前職の給与金額直近の号俸になるそうです。副検事の俸給表には17号俸までありますが、そんな人見たことがありません。若い人で7号俸前後、ある程度年齡がいっていれば、5号俸前後あたりからでしょうか。まあ、大体の話なので責任は持てませんが。

  そして、特に執務能力に問題がなく執務を続けられれば、副検事1号俸に届く方が多いようです。全くの印象ですが、50歳前後までには1号俸になってるかな、という感じです。現時点で月額57万4000円、単純に16倍(賞与4ヶ月の趣旨)で年収918万4000円です。大都市に勤務すれば、地域調整手当も付きます。検察事務官等、一般の国家公務員の俸給表上級者と比べても、待遇が良いのが分かります。ちなみに、検察事務官のままだと、普通は事務局長までいっても、副検事の給料を超えることはありません。全検察事務官のトップ5(ごく一部の高検事務局長、最高検事務局長)になると、ようやく副検事の給料を超えます。ただ、ごく一部の例外である上、そんな給料をもらえる期間は、長くても2年前後でしょう。副検事1号俸を10数年間もらう方が、トータルインカムはもちろん良いですね。

  さらに、俸給法9条に、いわゆる特号副検事の規定があります。特号副検事の月額俸給は現時点で63万4000円。16倍すると年収1000万円超えます。特号副検事は、全員はなれません。むしろ、昔は少なかったです。大昔は「九州全域で2人」とかだったようです。最近は、だいぶ人数が増えているようです。それでも、普通は定年前の最後の1年とか、もう1年前倒しで特号になったらラッキー、みたいなイメージです。ただ、何事にも例外はあります。とっても優秀な副検事だと、50歳代前半で特号副検事になることも、なくはないようです。レアケースのようですが。

 特号副検事になったら、昇給的にはそこがマックスです。あとは特任検事試験を受けて検事任官するしか、昇給の道はないですね。ちなみに特号副検事は、検事6号俸と同じ俸給額です。そこから、能力に応じてさらに昇給が認められるか、ですね。

  ちなみに、副検事の昇給辞令は、俸給表に従い「◯号俸を給する」となります。ただ、特号は俸給表に記載がなく、条文に直接俸給額の数字が記載されています。そのため、昇給辞令は「◯万◯◯円を給する」と金額が直接記載されるようです。他の人の前で金額を読み上げるのも変なので、勝手に「特号俸をを給する」と読み替えたりするようです。

3 次に地位のことです。最近は地方の地検や、大地検の各部に、「上席副検事」「統括副検事」等の名称で、上位の副検事を置く場合が結構あるそうです。もちろん、必須ではなく、このような上席副検事を置かない場合もあります。上席副検事の業務は、場所によって様々ですが、多くは検察官事務取扱検察事務官の担当する事件の配点や決裁です。場所によっては、検務を専門にすることもあるようです。自ら事件を常時担当することは、あまりないようです。なので、いわゆる決裁官、という位置付けです。もちろん、超複雑困難な交通事件とかの捜査を、決裁官の検事から頼まれることとかはあると思います。ほかに、新任副検事の指導をバリバリやっている上席副検事もおられるそうです。

 上席副検事のポジションは、かつては63歳の定年まで、ずっと事件の捜査、公判を担当していた副検事について、決裁官、管理職的なポジションを創設したもののようです。「なりたい」と思われるポジションであり、そこを目指してモチベーションが上がるという意味で、良いことと思います。ただ、なりたいのになれない人が不満を溜め込む可能性もあります。こういうのは色々難しいですね。

4 あと、東京区検には、刑事部、道路交通部、公判部、総務部に部長、副部長というポジションがあるそうです。他の部にもあるのかな?この方々の業務内容は、私は詳しくは分かりません。ただ、副検事の中でも、評判が良く実力もある方が、このポジションに行かれているようです。とっても偉い感じです。ほかの大区検にもあるのかな?