副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

副検事任官時期と昇給について

1 副検事の俸給について以前ちょっと書いたことがありました。その後、ネット上で、副検事の号俸ごとの人数に関する資料を見つけました。

  標題は「検察官在職状況統計表」とあります。どうやら、内閣官房が出している「人事統計報告」の一部のようです。内閣官房のサイトに掲載されていますね。

  令和3年7月1日現在のデータのようです。副検事777名について、各号俸ごとの人数は以下の通りであると記載されています。

     特号俸   86名

     1号俸  381名

     2号俸   70名

     3号俸   78名

     4号俸   54名

     5号俸   60名

     6号俸   36名

     7号俸   11名

     8号俸    1名

     9号俸以下  0名

  やはり、9号俸以下の人はいませんね。というか、副検事8号俸の人っているんですね。初めて見ました。よほど若くしてスムーズに合格されたのでしょう。7号俸、6号俸もほかに比べると少ないです。この辺りも若年合格者の部類でしょう。そして5号俸から2号俸までが大体似たような人数です。これからすると、平均的な副検事任官者は、5号俸くらいから始まる、と推測できるかもしれません。

  最もボリュームが大きいのが1号俸ですね。これも予想通りです。特号俸の方は全副検事の10%強います。思ったよりも多いな、と感じました。

2 副検事の昇給について、一つよく分からないことがあります。同じ年次の検察事務官同士の場合、若くして副検事に任官した方よりも、後の方で副検事に任官した方の方が、号俸が上になる、という現象です。この現象自体は「よくあること」として認知されているようです。

  前にもちょっと触れましたが、副検事に任官する際の俸給は、任官直前の公務員としての俸給額を基準として、直近上位の号俸になります。「とびつき」とか言うこともあるようです。副検事の俸給表をみると、8号俸から5号俸までが2万3000円くらいの差のところ、5号俸から4号俸が3万4000円くらいの差があります。任官時に4号俸にとびつくと、先に任官した人よりも昇給が早くなるのかな、などと想像しています。

3 ただ、それでも、副検事に早く任官した方が、総収入額は高くなるとも聞いています。そうすると、早く任官した方が昇給は当然早そうなのに、何で逆転みたいなことが起こるのだろう、という点については、いまだによく分かりません。副検事の俸給表が大まかな階段なのに対して、検察事務官の俸給表は階段がとても細かいとか、検察事務官は特別昇給があるとか、そういう違いによるのだろうか、などと想像しています。ただ、いろいろ考えてもよく分からないのです。

4 なお、この昇給の逆転現象っぽいものが、どう言う影響があるかというと、検察官の席次に影響があるのです。検察官の席次(偉さの順番みたいなもの。職員の名簿を作る際や、公式行事の際の並び順などで出番がある。)は、俸給の高さによります。同じ俸給の場合は、先にその号俸にたどり着いた方が席次が上です。そうすると、検察事務官同期で比べた場合、先に副検事に任官した人よりも、後に副検事に任官した人の方が席次が上になってしまうのです。1号俸になるのも、後に任官した人の方が早いことが多く、そうするとこの席次が入れ替わるのは難しいのです。

  そんなことから、「副検事になるなら、ある程度検察事務官として年次を重ねた後の方がいいよ」などという人もいます。ただ、副検事試験に合格できるなら、すぐに合格した方がいいですよね。合格できるのに、あえて合格を遅らせるなんて、受験勉強期間が長くなる点でも、任官した後に成長を始める時期が遅くなる点でも、合理性は無いと思います。副検事試験に合格したら、検察事務官としての俸給を特別昇給とかで上げてあげたりできないもんなんですかね。