副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

民法その1

1 今回は、民法という科目について、勉強する中で感じていたことをお話しします。

  色々事情があって、民法総則だけは、やたら詳しく勉強する機会があったんですよ。

  なので、民法総則だけは、未だに微かに頭の中にのこっています。

2 ただ、ほかの民法の分野については、とにかく端から勉強しては端から忘れていくことの繰り返しでしたね。

  まあ、一応勉強はしたので、断片的には知識などが頭の中を漂ってはいるのですよ。

  ただ、どれだけ勉強しても、それらがバシッとまとまってくる感じがいつまで勉強してもして来なかった。

3 こういう状態で、論文問題を解くとか、アウトプットをしようとすると、どうなるかというと。「この問題が、民法のどの分野に関する問題なのかが分からない。」となるのです。そして、頭の中に漂う断片的な知識を頼りに「この分野かな」などと適当に勘を働かせて、問題を自分の知っていることに引き寄せて、強引に答案を書いてみる。当然、そんなもの評価される訳ないですよね。おそらく、答案の採点基準に示されている事項とかけ離れたことが書いてあったはずです。

4 民法も当然法律科目ですから、重要なのは「問題点抽出能力」でしょう。「民法のどの分野に関する問題なのかが分からない」というのは、問題点が抽出できていない、ということ。それじゃあ、法律家としては全然だめですよね。

5 民法の力がどうにかものになってきたのは、択一試験(副検事試験にはないですね。司法試験にある五肢択一のマークシート試験です。)の勉強をした時でした。

  それまでに、大学で2年近く民事法の授業を受けたほか、いわゆる司法試験予備校で「入門編」「論文向け応用編」の2種類の講座を(親に高いお金を出してもらって。感謝。)受講した後でした。これだけやってもまだ民法ができてなかったということですね。

  さらに、予備校で3個目の講座として、「択一編」の民法講座を受けたところ。

  択一用なので、各分野について、択一試験に必要な情報に絞って、それぞれ、情報がそれなりにコンパクトにまとめられていたのです。

  それを勉強することで、①民法の各分野に、どういう制度があるのか、全体を大づかみにすることができた、②そのため、各制度の役割、適用場面、相互の関係が見えてきた、③「民法に定めがあるのはこれだけ。これ以外はない。」と自分で確認できるようになった(ほかに何か自分がわかってない制度があるのでは?という不安を感じなくなった、という意味です。)、という形で、それまで頭の中を漂っていた断片的な知識たちを、民法全体の構造の中に整理することができました。

6 いやー、それまでにも何回も言われていたんですけどね。

  「民法は、まずは簡単な教材で全体像をつかんだ方が良い。」ということは。

  人は、理屈では動かない、というやつでしょうか。自分で痛い目にあって、もがいてあがいて、ようやく道を見つけるものなんだなあ、ということが、やっと分かった時でした。

7 まあ、ようやく民法の全体像が頭の中に入ってからは、それをどのように論文試験でアウトプットするか、というハードルが待ち受けていたのですが、それはまた別の機会に。

  とにかく、民法は、全体像が頭に入ってくれないと、使いづらいことこの上ありません。そして、そういう知識は、勉強を継続していないと、どんどん衰えます。ですから、今では、私は民法の全体像は頭の中に入っていません。民法は「決してチョロくありません。」。