1 検察庁以外に勤務の方から、年齢に関するご質問をいただきました。
40歳代半ばとのこと。日本の公務員は、転職はまだ珍しいですからね。人生かける以上、どうしたって心配になりますよね。
2 まず、正直なお話として、副検事の採用を担当しているわけではないので、年齢を考慮しているか否か、正確なことは分かりません。
これからお話しするのは、単なる印象です。
3 検察事務官の場合ですが、50歳前後の任官者は、普通にいますよね。
あと、本当に単なる印象ですが。試験でちゃんと合格点をとった人を、年齢のことだけで不合格にするのは、今の時代、ものすごく困難なのではないか?と思います。
こう言っては何ですが、検察庁以外勤務の方については、採用する側も、あまり(多分「ほとんど」)勤務評定以外の情報は掴めないのではないかと思います。
そもそも検察官の能力というのは、色々多岐に渡る能力があり、その中で年齢が占める割合は、かなり低いように思います。
このご時世、年齢だけを理由に不合格者を出すのは、差別的でもあり、かなり難しい状況だろうな、と思っています。
4 あと、検察庁以外に勤務の方は、司法警察員がおられる官庁が多いと思います。ということは、それぞれ専門分野があるのだと思うのです。
その専門分野は、本当に大事にすべきだと思います。
検察官というのは、ゼネラリスト、つまり「何でもできる」という能力の需要は多いのですが、一方で、スペシャリスト、つまり「この分野は任せろ」みたいな能力も、大規模庁では有用なのです。
余談ですが、検察庁以外の方が副検事に任官すると、「原庁」という概念がないんだそうです。
原庁というのは、自分の根城というか、「ここが本拠だよ」みたいな場所です。
検察事務官の場合、原庁があり、広域異動であっても、「最後は原庁に戻りたいんだよね。」という前提で異動を考慮してもらえます。
これが、検察庁以外の方が副検事に任官した場合、原庁がないので、「片道切符になると怖いから、広域異動に出られない。」という事態があるようです。
こうして、検察庁以外の副検事任官者は、大規模庁に勤務するケースが多いように思います。
そして、大規模庁の方が、特定の分野の事件もある程度のボリュームがあるため、スペシャリストの需要は多いので、それはそれで需給が見合っているように私は思っています。
5 ちなみに、最近はあまり聞きませんが、検察事務官のうち、首席捜査官など、かなりお偉くなられ、かつ捜査経験を積まれた方について、「特任副検事」として、任官されるケースもありました。少なくとも、数年前まではおられたような。
この場合、任官は60歳です。そして、結構ハードに働かれます。研修も、皆さんと同じように受けられます。自分よりもかなりお若い方と一緒の研修は、「すごく大変」だそうです。
定年まで3年(今後は5年?)ですが、実際の仕事でもかなり頑張られます。
多分、最近あまり見ないのは、検察事務官の定年後に再任用されるのが通常となり、敢えて仕事がハードな副検事にはならない、ということだろうな、と思っています。
6 とはいえ、副検事2号俸は、指定職相当ですから。検察庁は指定職が多いので、車はつきませんが、普通の官庁の指定職は個室車付きです。少なくとも給料はそのレベルです。検察官て、給料面では、(公務員の中では)恵まれているなあ、と思います。