副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

答練について

1 論文答案の書き方をどうやったら身につけられるのでしょう。

  これは、もう、「書いてみる」より他にないんでしょうね。

  私自身の受験時代も、なかなか論文答案を書き始めることができませんでした。

  まだ勉強が足りないんじゃないか、とか、勇気が持てなかったんですね。

  しかし、アウトプットのトレーニングをしないままだと、インプットのトレーニングについても、効率が悪くなります。アウトプットしやすいようにインプットしないと意味がないですからね。

  また、論文答案を書くことで、自分がいかに分かっていないか、を確認することができます。これは辛い作業です。みんなそんなの嫌です。ただ、嫌な作業だからこそ、効果は絶大です。なんと言っても、自分ができないところが浮き彫りになるのですから。

2 自分が書いた答案を採点してもらえると、より勉強ははかどりますよね。検察事務官の場合は、近くに検察官がいるので、頼む機会もあるでしょう。

  他庁にいる場合は、なかなか頼む相手を見つけるのも難しいかも知れません。検察庁で開催している、副検事志望者を対象とした研修(論文答案を書きまくり、採点されまくる)については、他庁の方も参加できるようになっているようです。ただ、よその役所の研修を受けるには、所属先がかなり理解があって協力的でないと難しいのではないか、と思っています。

3 現実的な選択としては、司法試験予備校の答案練習会を受講することなんでしょうね。

  ただ、本番の司法試験は、出題が科目別になっていません。「公法系」「刑事系」「民事系」とか、括り方が大きくなっています。

  一方、予備試験の方は、論文試験の出題も副検事試験と同じように、科目別になっています。

  また、予備試験の目的は、「ロースクール出身者と同程度の法律的な能力があるか」を判別することです。一応、本番の司法試験よりは簡単という建前になっています。

  実際の予備試験の過去問を見ると、刑法、刑事訴訟法は、副検事試験とレベル感はそんなに変わらない感じがします。一方、憲法民法は、副検事試験よりかなり難しいです。

  ここが困ったところです。前にも話したことがありますが、予備校が作る答練の問題は、過去問に比べて「論点が見え見えで、法的思考力を問う本番レベルの問題ではない」という特徴があります。なので副検事志望者の場合、刑法、刑事訴訟法は、予備試験の実際の過去問を対象とした答練が良いです。予備校が作った問題だと、負荷が軽すぎます。一方、憲法民法は、予備試験の過去問よりも、むしろ予備校が作成した答練の問題の方が、負荷として適正なように思います。科目別にバラバラで受講できればいいのですが、そんなところありますかね。

4 ちなみに、ちょっと予備校のサイトを覗いて、答練の講座を見てみました。過去問を対象にした答練も、ある程度準備されているようですね。ただ、予備校の解説は、学問的な正しさを追求する傾向があります。一応司法試験合格レベルくらいの人が、何時間かかけて文献を読み、勉強した上で、さらに数時間をかけて書いたものが「模範答案」とされ、解説されることが多いです。そんなもの、本番で1時間で書けるわけないですよね。なので、解説とかついてない、採点だけの講座をお勧めします。

5 答練の受講料が高いのか安いのかを見極める参考として、実際に採点する側がいくら貰ってるのか、私の経験をお話ししましょう。

  20年以上前ですが、私が採点してた頃は、1通当たり500円でした。予備校による差はなかったと思います。差があると、安い予備校の採点なんか人が集まらないですからね。ただ、当時は修習生のアルバイトが禁止の時代でした。(私は学生の身分でした。念のため。)その後、修習生の給料が出ない時期にアルバイトが解禁され、1通当たり300円くらいまで下がったと聞いています。今は、また修習生に給料が出るようになり、アルバイトは禁止されたようです。ただ、修習生の数が増えているので、1通500円よりは安いかも知れませんね。

  ある予備校の過去問答練が1年分で約1万円でした。パッと見て「高いな」と思いましたが、7科目14問だと、1通当たり700円ちょっとです。そう考えると、結構良心的な値段なのかも知れません。