1 ここでは、弁護士という仕事について、ちょっと話してみます。
まあ、副検事も、特任検事になり、5年経てば弁護士になれますし。一応つながりはある、ということで。
2 江戸時代には三百代言という言葉もあったくらいで、弁護士の仕事というのは、いつの世も胡散臭い目で見られるものです。
弁護士だと、事務所を借りるのも結構警戒されると聞いたことがあります。
大家さんとか管理会社がいやがるそうです。
なんたって、法律のプロですから。もめるとややこしい相手、と思われるようです。
理由は、前にも話しましたが、道徳とか常識をはるかに飛び越えた、強制力を持つ規範ギリギリの所で勝負している人たちですから。
3 弁護士にとって一番大切な能力とは?
実は、答えは唯一であり、明白です。
それは「仕事を取ってくる能力」です。
要するに営業ですね。
一般企業でも、営業部門は相応の重みがあります。
弁護士も一緒なんですね。
4 そして、これは想像ですが、この部分に気付くのが早ければ早いほど、弁護士としての成長が早い(=偉くなる=居候弁護士を雇えるようになる)のだと思います。
言い方は悪いのですが、細かい仕事なんて、居候弁護士(=イソベン)にやらせればいいのです。
その分、自分は、さらに他の仕事を取ってくるための業務に注力すればいいのです。
これがシステマチックになると、いわゆる大手事務所になるのでしょうね。
仕事を取ってきて、勘所だけ押さえる部門(=パートナー=受益者)と、きた仕事を担当し、仕上げる部門(=アソシエイト=生産者)に分かれてるイメージです。
あくまでイメージですよ。
5 ただ、多分どんな弁護士でも、法律家としての力量には、そこまでの差はないように思います。一定レベル以上の場合ですが。そういう意味で、法律家としての商品価値にそれほどの差はないわけです。
結局、差がつくのは、営業力なんだろうな、と思います。
6 一方、検察官は、黙っていても仕事がどっちゃり舞い込んできます。弁護士とは偉い違いだな、と思う部分です。
修習生に教えてあげたいです。
「君達、弁護修習では仕事の中身よりも、仕事の取り方をよく見てきなさい。仕事の中身なんて、後でいくらでも勉強できるから。」