副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

令和5年検察庁法問題

 問題を提供頂きました。長いですね!そして、行数指定というニューミッション!

問1 検察官による捜査と裁判所の管轄の関係について、検察庁法4条ないし6条に触れつつ論ぜよ。なお、論じる分量は、解答用紙1ページ半(33行)以内に収めること。 問2 以下の事例を読んだ上、(1)〜(3)の各小間につき、結論と理由を簡潔に述べよ(それぞれ、結論を1行〜2行で記載した上、理由を簡潔に記載せよ。)。 <事例> 東京区検察庁のA副検事(東京地方検察庁事務取扱の発令を受けている。)は、警視庁新宿警察署警察官が逮捕・送致してきた被疑者甲に係る盗品等有償譲受け事件(以下「本件事件」という。)の捜査を担当することになった。 その被疑事実の要旨は、以下のとおり。 (被疑事実の要旨)「被疑者甲は、令和5年5月20日頃、東京都新宿区内の駐車場において、Xから、同人らが窃取した普通乗用自動車1台(管理者V、時価約200万円相当)を、それが盗品であることを知りながら、代金として10万円を支払って買い受け、もって盗品を有償で譲り受けたものである。」 なおXは、被疑者甲の送致に先立ち、「氏名不詳者と共謀の上、令和5年5月18日頃、大阪市内の駐車場において、V管理の普通乗用自動車1台(時価約200万円相当)を窃取した」 事実で実刑判決を受け、広島刑務所(広島県広島市中区所在)で服役中である。 A副検事が、弁解録取手続において被疑者甲の取調べを行ったところ、被疑者甲は、「確かに盗品の自動車を買ったことは間違いないが、売主はXではなく、神奈川県横浜市在住のYである。」旨述べた。 A副検事がその後も捜査を続けたところ、被疑者甲は、勾留延長後のA副検事の取調べにおいて、「Yから買ったと話していた自動車だが、実は、Xと一緒に、大阪市内の駐車場から盗み出したものだ。」と供述するに至った。 また、被疑者甲には、過去10年以内に、自動車窃盗で実刑判決を受けて服役した前科3犯があった。 A副検事が捜査した結果、これらの前科における窃盗の手口は、いずれも、V管理の普通乗用自動車が盗まれた手口と同様であった。 被疑者甲の勾留場所は、東京都新宿区所在の新宿警察署留置施設である。 (1) A副検事は、被疑者甲の供述の真偽を確認するため、神奈川県機浜市中区所在の横浜区検察庁において、Yの取調べを行うことができるか。 ⑵ 広島地方検察庁検事正は、東京地方検察庁検事正から本件事件に係るXの取調べを嘱託されたことを受け、広島区検察庁のB副検事に対し、Xの取調べを行うよう指示した。 B副検事は、広島刑務所の取調室において、Xを取り調べることができるか。 (3) A副検事は、東京簡易裁判所に対し、被疑者甲を常習累犯窃盗罪(盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律3条)で起訴することができるか。あるいは、東京地方裁判所に対しては起訴することができるか。 なお、被疑者甲を常習累犯窃盗罪(Xとの共同正犯)で起訴するに足りる証拠は収集されているものとする。