副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

副検事の遠隔地への異動について(コメントへの回答)

1 副検事の異動に関する質問をコメントで複数いただいたので、合わせてお答えします。

2 まずは、この記事に関する質問でした。

fukukenjihouritukouza.hatenablog.com

  こちらの記事に書いた「副検事も全国異動」という点についての確認でした。

  どうやら、コメ主の方は、法律事務所系のサイトに「副検事は高検管内の異動が原則」と書いてあったことから、副検事には全国異動はないものとお考えだったようです。それと違うことが前記記事に書いてあったため、確認のコメントとなったようです。

  コメ主のために、ちょっと詳しめに書きます。どこの官公庁であれ、国家公務員である以上、原理原則は全国転勤です。それは副検事に限らず、検察事務官であっても同じことです。

  ただ、実際の運用としては、検察事務官の場合は、本人が希望したり承諾しない限り、採用された地検の管内から外に出ることは、ほとんどないようです。ただ、一定の幹部事務官となるためには、管轄外の異動という経験を求められることが多く、「幹部事務官になりたいけど、管轄外には出たくない」というのは、さすがに難しいようです。

  副検事も、実際の運用としては、検察事務官として採用された庁を「原庁」とし、原庁を中心とした異動となります。また、異動先も、本人の希望が強ければ、原庁を含む高検管内に収まることが多いような印象です(あくまで印象です。)。特に、ライフイベントの関係で「この時期はどうしても原庁においてください。」という希望は、最近はなるべく受け入れる方向のようです。ただ、副検事も、「一度は遠隔地に行って修行してくる」みたいな雰囲気は、今でもあるように思います。

  まあ、人事なんて、全部が全部思うようにはならないものですから。日本なんて、狭いもんです。1日あればどこからどこでも行けるもんです。

3 次の質問は、遠隔地に単身赴任した際に、月に1回くらいは自宅のある地元に帰れるのだろうか、休日に出かける際には上司の許可が必要なのだろうか、という質問でした。

  コメ主さんの職場は、どうやら休日に身動きが取りにくく、かつ上司によっては休日の帰省が難しいようです。

  確かに、検察庁も、休日にも新規の身柄事件を受け付けるなど、いわゆる休日勤務の体制(日直勤務、と呼ばれます。)はあります。検察官にこれが回ってくるペースですが、結局日直を担当する検察官の数によることになります。ただ、普通はどんなに多くても、1か月に1回よりは少ないです。というのは、検察官の数が少ない場所(支部等)は、事件の数も少ないので、「休日はまとめてどこどこでやろう!」などと、ある程度合理化しているのです。あまり大きな声では言えませんが、日直業務は、勾留請求を受ける裁判所も当然あります。そして、裁判所というのは、〇〇組〇が大変強いので、働く環境が悪いと大変なことになるのです。そのため、「ちょっとしか休日の新規身柄事件が来ないところでは、裁判所が日直業務体制を組めない。」こととなり、検察が日直業務をやりたくてもできない、ということになるのです。その結果、「休日はまとめてどこどこでやろう!」と合理化されます。世の中、上手くできています。

  以上から、日直業務がなく、かつ担当事件について週末に出勤する必要がなければ(これは、ないように仕事を調整すれば良いことです。)、週末の帰省は十分可能です。なお、検察官が地元を離れる際に許可が必要なのは、海外に行く場合だけです。海外に行く際には、「海外渡航許可申請」を出して、検事正の許可を得る必要があります。国内の移動は、基本的にフリーです。もし、遠出中に「今すぐ帰ってこい!」とか言われたなら、それはものすごく優秀な検察官だからだと思います。

  なので、遠隔地単身赴任から自宅に戻るペースについては、現実的には、「飛行機代がどこまで出せるか」にかかっていると言えます。前にも何かで書きましたが、単身赴任手当というのがあって、本当か嘘か知りませんが、「1か月に新幹線で1往復半分」などと言われています。ただ、上限が1か月7万円くらいと決まっており、ある検察官は、勤務地の九州某地検から自宅がある北海道某地検まで、羽田経由で飛行機を乗り継いで帰るに際し「足が出まくり」だったりするそうです。

  ただ、予想外の遠隔地勤務というのは、それはそれで楽しいこともあります。仕事じゃなければ絶対に行かなさそうな場所も、色々と良いところがあったりして、良い驚きがあります。正直なところ、日本の都道府県の中で、「ここはダメ」みたいなところは、ないんじゃないでしょうか。強いていえば、大都市がクソ忙しくて嫌になるくらいです。ただ、それでも大都市の良さがあるのですが。