副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

副検事になる?検察事務官のままがいい?

1 今回の記事は、主に検察事務官の方に向けたものです。

  一昔前は、副検事任官については、「かなり損なのではないか?」という考え方が結構ありました。

  最近は、副検事に対する処遇がかなり改善されたと言われており、そのような考え方はあまり聞かなくなりましたが。

  どうして、かつてはそのような言われ方をしていたのだろうか、ということを、分かる範囲でお話ししたいと思います。

2 これは特に事件数が多くない地方でのことになりますが。

  検察事務官として偉くなっていくと、通常の業務がどんどん減って行きます。そして、偉い検察事務官が必要な場面というのは「突発事態」、つまりトラブルが発生した時の対応くらいになっていきます。まあ、トラブった時の対応は、色々大変なので、存在意義は十分にあるのですが。ただ、普段の業務は、まあ統括事務官がほとんど切り回してくれますので。

  一方、これが副検事になってしまうと、60歳近くになっても、現役バリバリと言えば聞こえは良いですが、要するに普通に身柄事件を配点されて頑張って捜査公判しないといけない訳です。しかも、腕が立つほど、難しい事件を配点されてしまいます。

  朝からじっくり新聞を読み込む偉い検察事務官と、かたや、裁判員裁判対象事件なんか配点されて頑張って捜査公判している副検事が、検察庁の入庁同期なんてことがある訳です。

  こういう状態を見ると、さすがに「副検事になると、年次が上になってもこき使われれる」みたいなイメージを持たれやすかったんですね。

  最近では、「統括副検事」というポジションが設置されることがあり、検取の事件決裁や若手副検事の育成、高検併任を付けられて副検事人事に関与するなどの業務に従事する道が設けられるようになりました。

3 あと、言われるのは、「検察事務官に戻れない」という点です。

  検察事務官の場合、同期のつながりというのは、結構大きいようです。それは、同じ庁に勤めているものに限らず、初等科研修、中等科研修、専修科研修など、各種研修で一緒になる他庁の同期とのつながりもあるようです。

  同期会みたいなものが結成されているケースもありますが、副検事に任官すると、これらの検察事務官としてのつながりから離脱することになるそうです。同期会があったなら、退会、ということになります。そう聞くと、結構寂しいですね。この点は、今でも改善はされていません。まあ、立場が変わりますから、そこはしょうがないですよね。ただ、先輩との関係はあまり変わらないようで、飲みに行っても、多めに出そうとすると「舐めるな!」とか怒られたりするそうです。先輩とはありがたいものです。

4 あとは、これも最近はほとんど見なくなりましたが、「検察事務官として処遇困難なものを副検事に送り出す」というパターンが昔はあったそうです。

  副検事に任官してしまえば、その処遇を考えるのは検察官サイドなので、事務局を中心とする検察事務官サイドの業務ではなくなる、という。それもどうかと思いますけどね。しかも、そういう人が副検事になると、だいたい立会事務官に皺寄せが行くので、全然解決にならないと思いますし。そもそも、そういう人物を検察事務官として採用したこと自体が大きな問題なのだろうと思います。

  検察官サイドとしても、そんな人物を副検事にしても、申し訳ないけどあまり捜査公判の役には立たないです。人間相手の仕事なので、対人関係のスキルが低い人はあまり活躍の場がないんですよね。

  まあ、最近は、そもそもそういう問題になるような人は検察事務官として採用されていないみたいです。幸か不幸か、日本の経済事情により、民間ではなく公務員を志望する人材のレベルが上がっているようです。

5 あとは、副検事の処遇について思うのは、号俸の上限をもっと上げたほうがいいんじゃないか?ということです。今の所、副検事は特号俸が検事6号俸と同じですよね。前にも別の記事で書きましたが、簡易裁判所の裁判官は、検事4号俸相当まであるようです。本当に優秀な副検事なら、そのくらいまで俸給で報いて上げても良いと思うのですが。ただ、一つ法律の壁があるのは、副検事は二級検察官、と定められています。そして、検事5号俸は、一級検察官になってしまうんですよね。なので、副検事の処遇を俸給面で改善するには、この一級、二級という制度の壁を破るか、一級検察官になるのを「検事2号俸」と実情に合わせるか、という手当が必要になります。ちなみに一級検察官の意味は「検事正になれる」ということです。そして、検事は、普通に業務をこなせれば4号俸、副部長以上の幹部になれるなら3号俸、そこから2号俸に上がるのは、検事正になれる人だけ、という大体の違いがあります。優秀な副検事に報いるためには、俸給の上限を上げた方がいいと思うんですけどね。