1 論文試験は、問題文を読んだら、答案構成をして、それから論述を書き始めるのが一般的だと思います。
そして、答案構成の部分で、ほぼ答案の出来が決まってしまいます。ちゃんと分かって解ける問題は、ちゃんと答案構成ができますし、そうなれば、後の論述は、「書くべき内容が決まっているものを、ただ『文字』という見える形に直す作業」だからです。
2 こう言うと、「そんなに答案構成をきっちり書いてないよ!」と不安になる方もおられるかもしれません。答案構成をややゆるめにして、あとは論述を書きながら細部を詰める、というスタンスの人もいると思います。そういうやり方がダメ、という訳ではありません。そして、そういうやり方で副検事試験に合格された方も、沢山おられると思います。ただ、このやり方は、法律の勉強、特に試験勉強としては「成長の途中」です。このやり方は、答案構成段階で細部を詰めていないため、「書き始めて細部を詰めて考えたら、答案構成段階の大枠が違っていた」となってしまうリスクがあるからです。論述を書き始めてから大枠を修正するのは、結構辛いですよね。なので、このやり方は、多くの場合は、「答案構成で大枠を外さずにすみ」無事に答案を書き上げられるのですが、たまに「答案構成で大枠を外し」痛い目に遭うことになります。
3 では、答案を書く時に時間が足りなくなったら、どうしたらいいんでしょうか。1問1時間として、だいたい15分を答案構成、45分を論述記載に使うのが一般的でしょうか。この「時間が足りない」という状態は、具体的には、「15分経過時点で、答案構成がまだ終わっていない」という状態を想定しています。
① 答案構成が不十分なまま論述を書き始めるか、② 論述記載の時間を削ってでも答案構成を更に練り込むか。難しい判断です。
4 まず判断するべきは、その時点での答案構成が、どの程度のレベルのものか、ということです。「まあほとんどできていて、細部は詰めてないけど多分大枠は外していない」と思えるなら、先ほど触れたケースのように、あとは論述を書きながら細部を詰めていく選択は十分あります。特に、刑法の事例問題で書くべき問題点が多数ある場合などは、論述記載の時間を削るのは、書ききれなくなるリスクが大きいです。
一方「答案構成の出来がイマイチで、このまま論述を書き始めても、書き切れるか心配」「もしかしたら大枠を外しているかも」みたいな状態の時は、答案構成を続けた方が良いでしょう。この場合、答案構成に手間取っているということは、自分にとって(多分他人にとってもですが)難しい問題です。欲張らずに「一発アウト答案を回避するために、最低限度の論述ができるように守り切る」意識を持った方が良さそうです。論述記載の時間を削っているので、ここから答案構成を完全に仕上げても、論述を書き切る時間がありません。時間不足に追い込まれた状況で、完全を目指すのは、悪手だと思います。
5 昔の司法試験みたいに、「2問2時間」だと、片方の問題で多めに時間を使う、ということができたんですよね。刑法総論が難しくて1時間15分かけ、刑法各論を答案構成なしで45分で書き上げる、みたいな。これは、刑法各論が典型的な事例問題であったことから、「これなら答案構成なしで書ける!」と見通しをつけられたためにできたことでした。ただ、副検事試験は1科目1問1時間のようですから。もう1問から時間を借りてくるわけにはいきません。そういう意味では、より条件が厳しいですよね。
ただ、一番大事なのは、「決して動揺しない」ことです。そして「自分にとって難しいものは、他の受験生にとっても難しいのだ」という、当たり前のことをちゃんと思い出し、自分を信じることです。