副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

検察官の研修について

0 コメントや質問をくださる方、ありがとうございます。ブログへの反応を知る機会が少ない中、励みになります。更新頻度の関係でタイムラグが生じてしまいますが、いただいた質問はお答えできる限り記事にするつもりですので、それまでお待ちください。

1 研修誌について、大学図書館などがコロナの関係で部外者の利用を停止しており、アクセスが難しいという話をコメントでお聞きしました。公務員であれば他省庁の方でも購読できると思っていたのですが、難しいのでしょうか?実情を知りませんので、コメントで教えて下さると助かります。また、「こうすれば他省庁の方でも購読できる」とご存じの方がおられたら、こちらもコメントでお教えください。

2 23年1月号の研修誌には、「副検事第2次研修に参加して」という記事が掲載されています。検察官も、色々に研修があるのです。副検事の場合は、「副検事第○次研修」というのが正式名称のようですが、業界用語として、短く「1副」「2副」「3副」と呼んでいます。1副が任官直後とその数か月後(数か月実務をやってから更に追加で研修があるようです)、2副が任官4〜5年後のようです。3副はいつ頃だったか曖昧です、すみません。昔は「4副」もあったのですが、結構前に無くなりましたね。何でなくなったのかは謎です。

3 最近はコロナの関係で、研修がリモートになることが多いようです。今回の研修誌の2副もリモートだったそうです。記事では、「今まで受けたどの研修よりも集中できた」と肯定的な感想が書かれていました。リモートの対義語は「集合研修」です。その通り、研修員が全員集まって研修をします。検察官の場合、千葉県浦安市にある法務総合研究所に行き、そこの寮に寝泊まりして、昼間は研修に励み、食事も寮の食堂で一緒に食べ、夜はひたすら懇親に励むのが定番でした。寮には研修生が集まるための大部屋があり、そこで水(大人用)や麦茶(大人用)を飲みながら語らい、同期や少し上下の先輩、後輩と懇親を深めるのです。同じ釜の飯を食った、という研修生の一体感は、貴重なものです。検察官は全国異動ですが、今はメッセージ一つですぐに連絡を取れる時代です。気軽にメッセージを送れる相手は、貴重な相談相手でもあります。

4 研修自体も、教官は法総研所属の検事が務めたりします。副検事の教官がいるのか、済みませんが知らないのです。内容は結構濃いようで、今回の記事には「中堅副検事としての高度な知識、技能を習得」「質、量ともに少なからずハード」「基本知識は身についていて当たり前(当たり前ではないのですが)」と力強いワードが並んでいます。

  そして、検察官の研修の特徴ですが、「効果測定がない」です。通常、公務員の研修は、効果測定というテストがあって、トップからビリまで順位がつけられるようです。検察庁でも、検察事務官の研修は「何番でした」と点数が出ます。ただ、検察官の研修は、効果測定がありません。点数も出ません。捜査、公判能力は、定型的なテストで点数をつけるのは難しい、ということなのかも知れません。

5 なお、検事も研修があります。「新任検事研修」「検事一般研修(3年目位)」「検事専門研修(7年目位)」が一般的です。そのほか「脱税研修(特捜部に行き脱税事件をやる)」「医事係研修(医療過誤事件の勉強)」などもあります。更に、次席検事や検事正になるときにも研修があるようです。検事正に誰が何を教えるんだろう、という感じですね。