副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

ある国の刑事裁判

1 たまたまある国の刑事裁判を傍聴する機会がありました。

  法廷で、インカムをつけて同時通訳付き、という、この上ない環境であり、大変よく内容がわかりました。

  その内容は、胸が熱くなるようなものでした。

2 事案は、日本で言う殺人か傷害致死でしょう。

  すでに事件から数年経過し、かつ、地元の不良(死語ですが)たちの抗争の末の事件であり、詳しい証拠関係は不明ですが、日本の刑事事件の感覚からすると、犯人性、事前共謀、現場共謀、承継的共同正犯、犯意等の争点が山のようにうかんでくる、難しそうな事案でした。

3 事案の概要を聞いて、すごく難しそうな事件だなと思いながら傍聴に入ると。

  職権主義の国でしたから、裁判官が主体になります。

  裁判官の第一声は、、、、。

  「お前は親の気持ちがわかっていない。」

  快心の一撃!!!!!

  いきなり被告人の胸をえぐりました。

  問答無用というやつですね。まさにそのとおりなのです。

  悪いものは悪い。

  人を裁き、罰することの厳しさを、改めて感じました。

4 もちろん、国によって、刑事法も訴訟法も違います。それぞれの国の人は、自分の国のやり方を当たり前と思っています。

  逆に、それだけに、被告人の内心にいきなり踏み込んだ裁判に、衝撃を受けたわけです。

  人を裁き罰するって、そういうことだよね。と、改めて感じ入った次第です。