副検事になるための法律講座

そんなブログ沢山ありそうですが…

校則について

1 校則って、多くの人が明確に認識するルールですよね。

  そして、多くの人が、疑問や反発を覚える。

  どうしてでしょうね。

2 校則に対して、多くの人が感じるところは、こんなところでしょうか。

 「理不尽」「無意味」「根拠がない」「意味不明」「くだらない」「どうでもいいことを禁止する」…。

  学校の先生たちは、多分真剣に、そして一生懸命に校則を考えたんでしょうね。

  どうしてそれが、こんなに反発され、疑問を示され、こき下ろされるのでしょうか。

3 それは、法律的に言うと、「正当性を認められてないから」ということだと思います。

  みなさんは、多分ですが、法律に対しては、校則ほどには疑問や反発を感じていないですよね。

  それは、みなさんが、法律に正当性を認めているからです。

  法律の正当性とは、「国民が選挙で選んだ国会議員たちが、国会で与党と野党ですったもんだして作ったものなんだから、まあまともなものだろう。」というようなことです。

  憲法では、国民主権の問題ですね。

  民主主義の国では、国家権力や法律の正当性は国民主権と民主主義≒選挙制度に根拠をおきます。

  それ以外の体制だと、色々工夫が要りますね。

  大昔のヨーロッパでは、「王権神授説」ですね。当時の王家と教会のつながりはすごく強かったようです。ケン.フォレットの大聖堂なんか読むと、よくわかります。ついでにドラクエの世界観も分かったりしますが。

  民主主義でない現代国家は、この正当性を国民に納得させるために、色々工夫をしなければなりません。大変ですね。

4 話を校則に戻しますが。

  校則というのは、正当性が薄いのです。学校側が一方的に決めるからです。

  校則を適用されるのは、大体生徒ですよね。そして、生徒は校則を決める過程に入ってないことが多い。先生方は、「生徒がこうだったらいいな」という夢や願望を校則という形にして実現しようとします。そして、適用される生徒たちの反発や疑問を受けるのです。

5 本当は、校則を決めたり見直す際に、生徒会を交えて、学校側と生徒側が話し合う形が望ましいんですよね。「治者と被治者の自同性」というやつです。憲法の話ですね。

  これこそ、民主主義とは?という教育の素晴らしい機会になるはずなのですが、未だにあまり導入されていないようです。残念。