1 副検事試験も、法律家の試験の一つですね。
色々法律の試験はありますが、法律「家」の試験は、少し独特なところがあります。
正確には、「論述式の試験」に限られますが。
それは、「知らないし、考えたことがない問題が出る。」「何を答えたらいいのか、分からない問題が出る。」ということです。
私も、昔は不思議だったんですよね。何でこんな訳がわからない問題が出るんだろうと。
2 それは、法律家の仕事と関係しています。
法律家の力は、問題点を抽出する能力だ、と思います。(前にも書いたことがありましたね。)
その法律家になるための試験ですから、当然そこで問われるのは、「問題点を抽出する能力」なのです。
だから、問題文から、何が問題点となるのかを抽出する能力が備わっていれば、「知らないし考えたことがない問題」であっても「何を答えたらいいかが分かる。」のです。
そういう意味では、合格ラインは結構明確なんですよね。出来る人はどんな問題でもできるし、出来ない人は、知ってる問題しかできない。
これは、想像でしかありませんが、法律家の試験の点数は、多分「問題点に気付いている」という部分への配点がすごく大きいと思います。誤解を恐れずに言えば、問題点に気付いて、的確に問題点を指摘できれば、論述内容が多少しょぼくても、結構高得点がつくでしょう。
3 実務でも似てますよね。事件の問題点にさえ気付いていれば、多少証拠関係がしょぼくても、一応手当はできている訳ですから。起訴か不起訴か、処分を決めることはできますよね。これが、そもそも問題点に気付いてないと、その点に関する証拠がないわけですから。処分を決めようがないですよね。
4 以上から言えるのは、「知らないし考えたこともない問題」「何を答えたらいいのか分からない問題」を解けるようになるべし、ということです。
これを意識すると、法律の試験で合格にかなり近づけます。どれだけ早い時期に意識できるかが、一つの勝負です。
そして、これを意識すれば、知っている問題でも、「知らない問題のように解く」ことができるようになります。この感覚は、実務にはあまり役に立ちませんが、試験レベルでは重宝するはずです。